肥満にも、上半身を中心に太っている人や下半身を中心に太っている人など様々な種類があります。これには生活習慣だけでなく遺伝的要素も関与しています。ですから、ひとえにダイエットといっても肥満の種類によって注意すべき点や解消法は異なります。今回は、肥満の種類を上半身を中心に太っているリンゴ型肥満と、下半身を中心に太っている洋ナシ型肥満とに分け、それぞれに応じた解消法をご紹介します。
~目次~
【リンゴ型肥満】
◆男性に多く、ぽっこりお腹が特徴
まず初めにリンゴ型肥満について解説します。これは男性に比較的多い肥満で、上半身でも特にお腹に脂肪がつくのが特徴的です。りんごのように中央部が出ており、メタボリックシンドロームになりやすいタイプの肥満です。
ぱっと見で太っていないように見える人でも、リンゴ型肥満の場合があります。リンゴ型肥満というのは、内蔵脂肪が蓄積している状態です。内蔵は主にお腹周りに位置しているので、内蔵に脂肪が蓄積するとお腹周りが出っ張ってくるんですね。しかし、小柄な人の場合はそこまでお腹が出っ張らないこともあります。そのような場合は“隠れ肥満”と呼ばれ、見た目に出にくいため特に注意する必要があります。
見分け方るためには、体脂肪率を参考にしてください。女性で体脂肪率が30%を超えてしまうような場合は、いくら見た目がスレンダーでも隠れ肥満です。この記事をよく読んで解消するようにしましょう。
◆炭水化物を少なめに、有酸素運動を
リンゴ型肥満の場合は、炭水化物の過剰摂取が主な原因です。ご飯やパンなどに代表される炭水化物は、過剰に摂取してしまうと脂肪に変換され、内蔵に蓄積されます。ですから、炭水化物の過剰な摂取を減らして脂肪が蓄積するのを防ぐことがまず第一に必要です。
脂肪を燃焼するためには、有酸素運動が効果的です。有酸素運動をする際は30分以上継続して運動するようにしましょう。短時間の運動でも脂肪は燃焼しますが、長時間継続した方が効率よく燃焼させることができます。
幸いなことに、リンゴ型肥満は解消しやすいタイプの肥満です。脂肪の蓄積する場所で、内蔵というのは一時的な預け場所としての役割を担っています。従って、食事制限をしたり運動したりして、体がエネルギーを欲している時には、この場所の脂肪が燃焼します。従って、内臓脂肪を燃焼させるのは比較的容易です。効果が現れやすいため、ダイエットの継続も難しくないようです。
【洋ナシ型肥満】
◆女性に多く、下半身太りが特徴
次に洋ナシ型肥満についてです。これは女性に多い肥満で、主に下半身を中心に肉がつくのが特徴で。その名の通り、洋ナシをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。このタイプの肥満は、皮下脂肪の蓄積が主な原因です。皮下脂肪は、先ほどの内臓脂肪と違い、付きにくいのですが落としにくい脂肪です。そのため、効果がすぐに現れません。根気よく解消していきましょう。
◆脂質を少なめに、下半身を中心に運動を
食事で気をつけるべきことは脂質です。このタイプの肥満の人は、脂質の代謝が苦手な人が多く、それゆえ脂質が蓄積されやすい人が多いようです。そのため食事中の脂質を少なめにすることが肥満解消のためには必要です。
また、脂質の代謝を助けるために、ビタミンB2を積極的に摂取しましょう。ビタミンB2には脂質代謝を促進する働きがあり、牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、卵などに多く含まれています。これらの食品を積極的に摂取するようにしましょう。
但し、一つ注意すべきことがあります。それはビタミンB2が水溶性の栄養素だということです。水溶性の栄養素は、茹で調理などの際に水に溶けてしまう性質があります。ですから、茹で調理をしてしまうと、せっかくの栄養素が摂取できない可能性もあります。ですから、これらの食品を調理する際は、生のまま食べられる食品はそのまま食べるか、加熱の必要のある食品は焼いたり炒めたりするのが栄養素を効率よく摂取するためには必要です。
また、運動もしましょう。運動する際は、スクワットなど下半身を使う運動をするようにしてください。また、マッサージも脂肪の分解を促進するためには効果的です。長年蓄積してきた脂肪ですから、こり固まってしまっています。ですから、運動やマッサージなどで脂肪をほぐしてあげましょう。
【リンゴ型・洋ナシ型肥満まとめ】
いかがでしたか。最後におさらいすると、男性に多いぽっこりお腹のリンゴ型肥満の人は、炭水化物を食べ過ぎないように注意し、有酸素運動を心がけましょう。女性に多い下半身太りの洋ナシ型肥満の人は脂質の少ない食事と下半身を使った運動やマッサージを心がけるようにして下さい。